2018年6月7日木曜日

映画の影響を考察と分析。感情を作る映画達

今回は映画の影響についてまとめてみました。
前半にエピソード、後半にエビデンスという構想でいきます。

小学生の頃から映画は好きでした。
……と言ってもその頃はアニメ映画を友達や母親とよく観に行っていました。

クレヨンしんちゃんとドラえもんが当時は好きで、映画化される度に観に行ったと思います。
ドラえもんがノラミャーオにフラれて、ワンワン泣いたらだみ声になったエピソードは断片的ですが、強く記憶に残っています。
クレヨンしんちゃんは大人になってからも観たせいか、オトナ帝国のヒロシのエピソードや戦国大合戦でヒロシが自家用車で侍達をビビらせるエピソードの方が思い出しやすいですね。
人間の記憶とは不思議なものです。

中学生になった頃からは、洋画や邦画問わず漁るように色々な作品を見ました。
当時は色々と嫌なことも多かったので、とにかく泣けるような感動するような作品を求めていました。

ショーシャンクの空に、シービスケット、パーフェクトワールド、フィールドオブドリームスで何度もウルウルしたと思います。
時系列が混合しますが、グラディエーターやブレイブハートのような歴史作品も好きでした。



日本の歴史だと戦国時代が好きなので、大河ドラマもよく借りて観ました。
渡辺兼主演の伊達正宗、津郷雅彦主演の徳川家康が特に好きだったと思います。
織田信長は年末スペシャルでテレビ東京がやっていた渡哲也の作品が強く印象に残っています。
エンディング曲の「まだ足りないまだ足りない心が軽い♪」というフレーズは、今でもパッと思い出せるのだから人間の記憶はやはり不思議です。

まだ、エビデンスを調べていないので、抽象的な表現が多めになってしまいますが、わずか2時間近くの作品がそれだけ強い記憶に残るのは怖い部分もあるなと思いました。



それでは、映画の悪影響についてまとめてみます。

まず、映画の悪影響でパッと思い浮かぶのは、ホラー映画やオカルト映画です。
昨日は書き忘れましたが、両親がホラー映画が大好きで、13日の金曜日やチャイルドプレイをよく好んで観ていました。

書いていて思い出したのですが、義理の親父が「食人族」とかいう超C級ホラー映画をレンタルで借りて一緒に観たのですが、トラウマ的なシーンを鮮明に思い出しました。

白人がバカンスで未開拓の島に上陸するのですが、現地の黒人をとにかく馬鹿にしていました。
遊び感覚で現地人を殺していました。
すると、儀式だかいけにえだか復讐だかで白人を一人ずつ磔にしていきました。


私のトラウマシーンですが、現地人が白人の脳味噌を食べるときに、カブトムシの幼虫?も食べたりしてたのですが、その幼虫が白ごまそっくり(大きさは違いますが)で、一時期白ごまが食べられなくなりました。
後にも先にも映画で怖くなったのは、これが初めてだと思います。


ここからはエビデンスです。
2012年Browne教授がイギリス心理学会の年次会議にて「暴力シーンが子どもを攻撃的にする」という研究結果が発表があります。

過去18年間に公開された暴力シーンを含む映画、テレビ番組、テレビゲームを題材に、子ども達がどのような影響を受けるかを調査しました。

低年齢の子どもたちほど、影響を受けやすい
見たすぐ後の興奮状態、思考、感情に変化が起こりやすい
攻撃的な行動やおびえた行動を示しがちになるというデータが出ました。

更に、一つの極端なケースですが、映画を観て自殺する人や殺人をおかす人もいます。
幾つか例を抜粋します。

タイタニックを抜いて世界興行収入1位を記録した「アバタ―」は、あまりに現実よりも魅力的な世界であったことから映画鑑賞後にうつ状態になったり、現実に絶望する人が続出し、自殺者が出たという噂まで流れています。
台湾では「アバター」を観たあと過度の興奮状態になった後に昏睡に陥り、11日後に亡くなった男性がいるそうです。

レオナルド・ディカプリオ主演で映画化された「バスケットボール・ダイアリーズ」。
キャロルはバスケットの名選手としてアッパーウエストサイドの私立学校に通っていたのですが、同時にヘロインに溺れており、その購入資金のために同性愛者に体を売っていたそうです。

ディカプリオ演じるジム・キャロルが黒いトレンチコートを着て学校へ行って生徒や教師を撃つ夢を見るというシーンが登場するのですが、1999年、黒いトレンチコートを着た少年2人が高校で銃を乱射し教師1人と学生12人を殺害するというコロンバイン高校銃乱射事件が発生。


1999年に公開されて映画界に衝撃を与えたアクション映画「マトリックス」も同様です。
撮影技術の一つであるバレットタイムはこの作品で効果的に用いられ、影響を受けた映画が続出しました。

リー・ボイド・マルボ(Lee Boyd Malvo)は2002年10月にワシントンD.C.で起きた連続狙撃事件(ベルトウェイ・スナイパー・アタック)の犯人の一人。
この事件では13人が撃たれて10人が死亡、2003年に「D.C. Sniper: 23 Days of Fear」というドキュメンタリーテレビ映画が制作されました。
主犯のジョン・アレン・ムハンマド(John Allen Muhammad)は死刑になり、マルボは終身刑となりました。
「マトリックス」は、マルボが精神混乱状態に陥った原因の一つだったとして名前が挙げられています。

なお、マルボ以外にも、家主の女性を殺害してバラバラにしたスイス人交換留学生(27)や、家主の女性を撃ったバーテン(36)も同様に「マトリックス」の影響を受けて錯乱状態にあったと訴えているそうです。


音楽の話とも関連しているので、劇音楽作家の話を掲載します。
『ここでひとつ作曲家として皆さんに申し上げたいことがあります。
あなたの意思に関係なく、音楽は簡単にあなたの心に侵入します。
そして、あなたの感情を操作してしまいます。

街に溢れる音楽、テレビをつけると、さまざまな情報とともに、音楽が送り出されてきます。
あなたが何かに対して抱いている印象は、誰かに操作され作られた可能性がある。
あなたが何かに対して抱いている感情は、本当にあなた自身のものでしょうか? ニュース番組に音楽をつけることは、報道という観点からいって、果たして正しいことでしょうか? 

何かをほしいと思う、何かを買いたいと思う、その感情は、本当にあなた自身のものでしょうか? 
音楽がいつの間にかあなたの心に侵入し、操作してしまった可能性がある。
一度疑ってみる必要があると思います。

映画の世界においてはともかく、現実の世界において、誰かに気持ちを操作されるのは、決して気持ちの良いものではありません。
世の中には誠実な音楽もあれば、不誠実な音楽もあります。
私たちは音楽に対して、もっと注意深くあるべきです。
そして、作曲家は誠実であるべきです。
音楽の怖い面についてお話ししましたが、音楽が怖いというわけではありません。それだけ音楽には人の心を捉える力があるということです』
(logmi「世の中には誠実な音楽と不誠実な音楽がある–人の感情を左右する音の話」の作曲家 渡邊崇氏のスピーチより抜粋)

映画は音楽とCG、俳優と脚本全てがトップクラスで形成されています。
高倉健の映画を観れば、風を肩で切るように歩きたくなるし、松田優作の映画を観れば、黒い革ジャンにサングラスをかけて、尖ったセリフを吐きたくなります。


まとめですが、映画は「感情を作る」というのが結論です。
素直さや単純さを持つ人であればあるほど、影響も受けやすいのが映画です。
思い出せないだけで、トラウマや攻撃性含めた人間として相応しくない「反応」は形成された影響を受けたと思います。

どの分野でも言えますが、「社会的責任と未来への影響」は21世紀を生きる人達には必須なものの捉え方だと思います。

次回は関連して、音楽の影響についてまとめてみます。

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